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対談・ワンド5と葛藤

今回のお題は 【ワンド5】です。

中川)戦いを示すカードです。タロットには、戦いのカードは【ワンド5】と【ソード5】と2枚あります。

今日取り上げる【ワンド5】は外のものとの戦いというより、自分の中のもやもや感との戦いなんだ。不穏さはないけれど、これを選ぶとあれができない、困った、といった葛藤を示す。もう一枚の戦いの【ソード5】には、倒すべき実際に倒すべき相手がいる。現代だから、剣を振りまわしはしない。競争の中でライバルを蹴倒すための戦いと読む。

永坂)【ワンド5】は自分の中で優先順位をつけるまでの戦いだから、もやもや感を解消するための苦しみを外の要因にしてはいけないんですね。「俺がこれをできないでいるのは田中のせいだ」ではなく、「田中は田中、俺は俺、さてこの問題をどう解決する?」と。

 

中川)「さてどう解決する」には、【カップ7】もある。

これもあれもしたい、これもしたい、困った、という意味合い。このカードも【ワンド5】も逆位置に出ると決着はつくのだけれど、【カップ7】は7つの選択肢から一つしか選べない。「夏休みをどう過ごす?」「勉強に勤しむ、バイトや遊びに割く余裕はない」で完了。

【ワンド5】は優先順位だから、「予備校に通うのが最重要で、間にバイトもそこそこ入れて、なんとか時間をつくって山へキャンプに行く」という具合。

 

永坂)結構オシャレな格好の、この少年たちはどんな集合体なんでしょう。

中川)敵じゃないんだ。同族とか、チームメイトといった関係。本気ではなく練習試合といった力の入れようだから、服を汚したり破いたりしない。怪我をしないから血も流さない。空は青いでしょ。勝者も敗者もいないんだ。

先月のこの欄で、何か趣味を探していて、一枚占ってみて【ワンド・ナイト】を引いたら、筋トレとか水泳とか、身体を動かすアクティビティを勧める、と言ったじゃない。同じ占いで【ワンド5】が出たら、サッカーとかラグビーとか、チームスポーツを勧める。

 

永坂)五人とも同じ寸法の棒を振りかざしているから、ラクロスに見立てましょうか。

中川)昔はチャンバラごっこというのが男の子の中の定番の遊びでさ。このカードの絵柄を俺はチャンバラごっこの思い出と結びつける。道端に落ちていた木の棒を腰にくくりつけて、風呂敷なんかをマントに見立てて括りつけて、スーパーマンとか月光仮面とか、ナショナルキッドとかになった。浮かぶのは、そういった悪を倒す正義の味方のイメージ(苦笑)。

永坂)恐ろしく古いなあ〜。

【ワンド5】を見ると私は、中学生高校生が将来に向けて悩んでいる姿、と想像します。中学後半から高校の折り返し点くらいの時期って、男の子も女の子も、まだ夢見がちだったり、単純に解決できそうな優先順位に対しても、やたらと複雑に考えたりする時期じゃないですか。

【ワンド5】正位置はその時代という感じで、3年生に近づくと、「この辺りのレベルの大学を狙うのが妥当そうだ」「進学より就職かも」「家業継ぐことも考えなきゃいけないんだよね」とか、もっと現実的になるわけで、この辺りでカードは逆位置にひっくり返る方向を目指す、と。

中川)そういう見方をされると、「小アルカナは現実を語る、だからカードが意味する経験をする人もいればしない人もいる」という俺の自説により納得するね。

72年の人生を振り返ると、俺は【ワンド5】的な葛藤することはほとんどなかった。思い込んだら一筋で、思った通りを生きてきたからなあ。インドやタイを放浪したのも【ソード5】逆位置の結果であって、【ワンド5】逆位置ではないもの。

何かで読んで笑った話なんだけど、ある時ある占い師が複数の女性と交際している相談者を占って、最終結果に良いカードが出たけど、鍵のカードが【ワンド5】だった。

永坂)うわあ、タロット様は何もかもお見通しなんだ!私がその占い師の立場だったら、笑いを堪えるのに苦労するでしょうねえ。タロットの洞察力、恐るべし。

中川)でも、占い師は倫理観をもとに諭すという行為をしてはいけないのだから、自分の気持ちがそうであっても、「複数の異性と付き合うのは人の道に外れた行為です、やめるべきです」とは言えない。この占いの最終結果は悪いものではなかったから、「このような良い結果を得るために、付き合う相手を一人に絞り込みましょう」と言っただけだった。

 

永坂)子持ちの女性が不倫相手にずぶずぶのめり込んで、それを止めたい友人が相談に行ったら、占い師に「夫よりこの不倫相手の方が、あなたの友人をもっと幸せにできる」と告げられて、大いに困惑したというケースを聞いたことがあります。

中川)そうなんだよね、占い師は正義感を振りかざしてはいけないんだ。

永坂)悪を倒すべくチャンバラごっこに明け暮れた先生なのに、正義感や倫理観を前面に出すことなく、中立を守る立場になりました。「不倫は止めなくてもいい」と助言してOKなんて、占い師とは稀有な職業です。

2026年6月 横浜関内占いマクトゥーブにて

 

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