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大アルカナのカード【Ⅰ魔術師 】

インタビュアー)新企画でございます。どのカードから始めましょう?
中川)大アルカナの1の【Ⅰ魔術師 】から始めます。番号0の【0 愚者】のカードは、変則的な登場をしたという経緯があるから、【Ⅰ魔術師 】から始めます。

インタビュアー)【Ⅰ魔術師 】は、見るからにポジティブな印象を与えるカードですね。
中川)色合いが黄色と赤と白の三つだけの、明るいカードです。22枚の大アルカナのカードの中で、空が黄色く描かれているのはこれと【Ⅷ 力】と【Ⅶ 戦車】の3枚だけです。
【Ⅰ魔術師 】と力の2枚はキャラクターの頭の上にインフィニティのマークがついているという共通点もあります。彼らには羽もないし、天使ではありません。人間です。インフィニティのマークは「人間が努力して到達出来る最高の境地」を表しています。この二人は、心身を極限まで鍛え抜いた、特別なレベルの人間なのです。

インタビュアー)描かれている人物のポーズについて、説明してください。
中川)右手から天の意思を受け取り、それを左手で地面に伝える、つまり世の中に広める。
それにはワンド、つまり勇気がいる。ワンドは白。無垢。自分の解釈を加えることなく、素直に伝える。

インタビュアー)カードから引き出されるメッセージは?
中川)勇気と信念。

正位置に出ると、「これらを発揮して行動した、します、しましょう」。逆位置は、これらの欠落や不足のせいで物事が順調に進まない、だから奮い立って行動しなさい、といった受け止め方をします。

インタビュアー)人物の顔つきが穏やかで、安心感を与えるカードですよね。「大丈夫だからね」と確証をもらえそうな気がしますが、そう受け止めてよろしいでしょうか?

中川)そうです。暗い部分が一切ない。相談者が行おうとしていることに「これでいいんだよ、大丈夫だから」と確信を与えてくれる、背中を押してくれるカードです。

タロットカードの全エレメントであるワンド・ソード・カップ・ペンタクルが、机の上に綺麗に並べられています。「綺麗に」が重要なポイントでしょう。エレメントを丁寧に扱う、丁寧に使いこなす、と示されています。どっしりとした脚の四角い机は、現実世界を表します。

インタビュアー)実直だけど気難しさを感じさせない。明るい堅実性と言って良いのでしょうか?
中川)良いでしょう。
堅実を求めるのなら、法王や皇帝のカードもそうだけど、これらには多少の窮屈さがありますね。東京秋葉原占いマクトゥーブの当たるを超えた占い師東京秋葉原占いマクトゥーブの当たるを超えた占い師東京秋葉原占いマクトゥーブの当たるを超えた占い師【Ⅰ魔術師 】のカードは明るさが見られます。空の黄色は、太陽の恵みの色、祝福の色です。

指輪やブレスレットといった装飾品をまとっていませんよね。机も固くてどっしりしているし、花以外に背景もない。このシンプルさも堅実さの表れなのかもしれません。

インタビュアー)【Ⅰ魔術師 】という名称だと、超常現象とまでは言わないけれど、突飛などんでん返しをしてもらえるのでは、と期待してしまうのですが?
中川)あ〜それはねえ・・・、僕もお客さんにも言うんだけど、【Ⅰ魔術師 】は魔法使いじゃないんですね。人間だから、かぼちゃを馬車に変える能力はないんです。突飛などんでん返しを起こしてはくれません。

四つすべてのエレメント(ワンド・ソード・カップ・ペンタクル)が並べられているけれど、現実世界ではこれらが過不足なく揃うなんてあり得ないわけで、「十分な条件が揃っているから頑張れ」ではなくて、「手持ちのもので頑張れ」と受け止めるのが良さそうです。それを実行するために必要なのが、勇気と信念。

インタビュアー)実行すべきとわかっていても、勇気が足りなくて尻込みしそうだから占ってもらう、ということはいくらもありますね。
中川)それはよくあるケースなんだけど、せっかく占いでGOサインがもらえたのに、「面倒そうだから」「忙しいから」と言い訳をして前進を止めてしまってはもったいない。

僕自身を振り返るに、「勇気がなくて行動しなかった、しておけば良かった」という後悔は、十年二十年尾を引くというのは確かです。行動して後悔というのも、それはそれでまた長引くんだけどね(爆笑)。

占いで、この魔術師のカードが最終結果として出たのならば、是非とも勇気を奮い起こして行動してください。大丈夫ですから。

2020年5月08日 秋葉原マクトゥーブにて

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