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対談・ワンドナイトと冒険

今回のお題は 【ワンド・ナイト】です。

永坂)本日は【ワンド・ナイト】という、明るい色の、爽やかな、勢いの良い、誰もが頑張れと応援したくなる感じの若者が描かれているカードが出ました。

中川)ワンドのコートカードには、ピラミッドが描かれているという共通点があります。共通のシンボルがあるのはワンドだけで、他のスートにはありません。服に火の紋章がついているのも共通で、王家の血筋を表すと言われている。

 

永坂)この若者は、飛び切り立派なおうちの坊ちゃまなんですね。でもひ弱な坊ちゃまではなくて、世継ぎとして家を守るために日々訓練をしっかり積んでいるという、非常に頼もしい存在。

中川)何か趣味を探していて、一枚占ってみてこのカードを引いたら、身体を動かすアクティビティ、筋トレとかランニングとか水泳とかを勧めます。

 

永坂)溜め込んだエネルギーをどかーんと使う、という意味合いなのですね。体育会系なんだ。ワンドのクイーンもこの時代には珍しい、「女だてら」といった雰囲気を持つキャラですし。

中川)そう。【ワンド・ナイト】を現代の人物に当てはめると、運動部のキャプテンだな。統率力は十分ある。グランドなり現場なり、軍隊だったら、戦争の前線に立って周囲を鼓舞するタイプ。

永坂)「鼓舞する」ですか。ただ自分自身が突き進んで行くのではなくて、人を巻き込んで高めて行くといった能力も備えている。

中川)同じ統率力でも【ソード・ナイト】だったら、先頭に立つまではワンドと同じでも、現場にいるとは限らない。オフィスのデスクから指示出しというケースもあり得る。

永坂)馬を乗りこなせるようになるには、日頃から相当な訓練する必要ですが、ましてやこのカードにあるような馬の体勢で姿勢を保っているとは、完全にコントロールしている証。大した腕前です。

中川)心理学によると、馬は様々な欲望を表すんだ。こんなポーズをしているのは、欲望はかなり強いに違いない。
占いで正位置であれば、どんな欲望でも制御できると解釈するけれど、逆位置はコントロールを失うのだから、暴君と化す、暴力的になる、と読める。警察沙汰といった、過剰な暴力行為が起こりうる。
さっきのソードとワンドとの対比に戻って犯罪の話をすると、ソード逆位置の犯罪は詐欺といった、言葉や書類で騙すもの。ワンド逆位置のは暴力を暗示する。
この若者は、今から一人で砂漠を旅するんだ。いいね。

永坂)砂漠を一人で、ですか。お付き無しですか。すごいなあ。不安さを見せていないとは見事です。砂漠の民って、オアシスがどこにあるかわかっていたんですね。星空を眺めてどう進めば良いかわかっていたとは、人間はどれほど頭が良いんでしょうね。星が見えなくなったという事実を別にしても、現代人が失った技術の一つが、星を見て移動するというものでしょう。
タブレットを持っていてもネット接続はできないから、「今日は5月23日、こぐま座はどこ?」と尋ねるわけにはいかない。

中川)星を見てもわからなくなったよね。使われなくなった能力や使う必要がなくなった能力が消滅して行っても、その分余裕ができて、代わりに現代にふさわしいものを持つことができないとね。

 

永坂)情報がたっぷりあると、必死に分析しようとする努力や、出たとこ勝負を楽しむといった感性が減って行くのでしょうね。先生は昔インドを放浪されていましたが、今の放浪はちょっと中途半端になりそうです。GPSがあれば、「こっちへ行ったら〇〇町に行けるんじゃないか」じゃなくて、「〇〇町に行けます」でしょ。

中川)昔は現地の本屋で英語版の地図を買って、一生懸命放浪のルートを探したけど、今だったらスマホを見ちゃうんだろうなあ。
放浪ははっきりとした目的は無しに移動することで、旅とは違います。【ワンド・ナイト】は旅人。目的地に向かって砂漠を旅するこの【ワンド・ナイト】は、孤独と戦うんだ。厳しいよね。

 

永坂)彼には目的があって旅に出る。辿り着くべき目的地がある。それでもって、いずれは故郷に戻って館を背負う。

中川)そう、いずれこの若者自身が【ワンド・キング】になる。このカードにはピラミッドは描かれていないんだ。王になったとは、ピラミッドが暗示する「高みを目指す」というミッションに到達したということだから。

永坂)立派な後継者が居てよかったですね、このおうち。本人もやる気満々だし。太古の昔から、世の中にはお馬鹿坊ちゃんはいっぱいいますもの。

中川)この坊ちゃんは二代目だと思う(笑)。
昔の川柳に、「売り家と唐様で書く三代目」(注・初代〈祖父〉がゼロから大成功して、二代目〈息子〉が財産を守っても、苦労知らずの三代目〈孫〉は放蕩しまくって家を売り払うといった憂き目に遭うのがオチ、という社会風刺の川柳)というのがあるでしょ。
だから三代目が危ない。せっかく【ワンド・ナイト】が立派なのに、彼の息子は堕落して、家督を潰しそうな気がしてならない(笑)。

永坂)タロットのコートカードと江戸の川柳がクロスオーバーするという、コントロール不能の兆しを示し始めたところで、この対談は強制終了といたします。

2026年5月 横浜関内占いマクトゥーブにて

 

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