『占われ上手』になる
Q. 先生は占い師になる前は、占ってもらった経験が当然おありですよね?
A. 数回あります。ある時点で僕は「プロの占い師になる」と決めました。その際、知り合いの紹介でとある女性の先生に出会って、数回占ってもらいました。
そして納得して、その先生のもとで占いを習うと決め、プロの占い師になりました。
Q. 占ってもらった経験はその時だけですか?
A. 高校生の時にあちこち、誰に相談することなくそっと行きました。当時は、少しずつショッピングセンターの隅に手相とか易とか九星気学といった占いのブースやらコーナーが出来始めた頃でした。
何を相談したかどんな助言を受けたとか全然覚えていないけれど、「どう生きるか」とみてもらったんだろうなあ(笑)。限りあるお小遣いの中からひねりだした費用だから、占いに対しては真剣でしたね。
Q. 「占われ上手」になる秘訣とは何でしょう?
A.勇気とか信念とか、そういったものは必要でしょう。
例えばタロットで〈ワンド8〉が鍵になることがあるでしょう。「追い風が吹いている。ゴールは近い」ですよね。
だったらそれをどう糧にしてどのような行為として表すかと考える。そういった柔軟性を持った決意が求められます。
Q. 抵抗とか反発してしまうといった、いわゆる「占われ下手」の要因は、心の弱さでしょうか?
A.弱さとは言いたくないなあ。弱さではないと思う。
占いに来たのに受け入れられなくなるのは、「未来の方向性は幾つもあるのに、ひとつしか見えなくなっている」という思い込みなんじゃないかな。
他の選択肢を考えることが出来なくなると、出た結果が自分の望んでいなかったものであった場合、受け入れられなくなる、乗り越える力を出せなくなる。
僕はそれを弱さとは呼ばないです。
どんな状況であっても、選択肢はひとつじゃないのです。それをわかって欲しい。
昔から「吉凶は動より生じる」と言われていて、つまり賢く動けば、どんな難しい問題でもなんとかなるのです。
Q. ひとつ具体例をあげてください。
A.「今の職場では希望が持てない、転職したい」という状況に立たされているとします。何もしなければ、不満を抱き続けるだけです。状況は悪化する可能性もある。
では転職に向けて動くことにします。今の自分の力量はどのようなものなのか、それは次の転職に活かせるか、転職するならどんな分野がいいのか、それにはどんなスキルが必要なのか、と考える。
でも、もしかしたら周囲に相談しただけで問題はあっけなく改善してしまって、転職しなくて済むのかもしれない。
占いでそういった構想を組み立て、どう動くのが効果的かを理解した上で動けば、道は必ず開けます。
Q. 気持ちが萎えている時は、動きが鈍くなるものですね。
A.当たり前だけど、ハッピーな人は占いに来ません。人生を投げてしまった人も来ない。
けれど占いに来るエネルギーがあるのなら、たとえ苦しい展開が待っていると告げられたとしても、「なんとか乗り越えていこう!」と腹をくくって動いて欲しいです。
必ず良い結果が得られますから。
Q. 占い中毒とか依存症は、どういった要因で起こるのでしょうか?
A. 現実逃避といった、現実を見たくない人が、占いに依存的になるのではないかと思います。
悪い時は勿論、良い結果が出た時でさえ「違うでしょ」って、受け入れられない。でも占ってもらいたくて、やって来る。
人間は全くもって複雑な動物で、中には「私は幸せになれない」と思いこんでいる人もいるわけです。
長期間ドメスティックバイオレンスの被害を受けているのに、暴力をふるう相手から離れられないなどが一例です。そういう人達には、「不幸のままでも仕方ない」という心理が働いているわけです。
乗り越える為の痛みがとても高い壁に感じて(どうせ乗り越えられない)と諦めてしまう。けれどもそれは本当の真意ではないから、そういう人は占い依存になりやすいです。
Q. 心が折れてしまっている相談者に辛い結果を告げるのは、心が痛みますね?
A.痛みます。だけど僕は絶対に結果は出たままを伝えます。
相談者にわんわん泣かれても失望されても、結果を正確に伝えます。
その上でいろいろ説明を加えて、改善策を提示して、考え方を整理してもらって、前向きになる気力を得てもらう。つらいのはわかっているけれど、立ち直って、胸を張って前に進んで行ってもらいたいですね。
2017年6月27日 秋葉原マクトゥーブにて