対談・ソード4
今回のお題は「ソード4」です。
中川）ぱらっと開いて・・・【ソード4】が逆さに出ました。
逆位置で出ると「休息は終わり、アクション開始」と読みます。正位置だと「休息中、アクションは起こらない」と読みます。
この戦士は教会の中で横になっているんだけど、どうしてかは定かではありません。怪我をしている様子はない。疲れているだけなのかもしれない。いろいろ考えを巡らしているのかもしれない。瞑想という状態に近いのかもしれない。一生懸命作戦を練っているのかもしれない。
同じ休みを表すカードに【ソード2】があって、これは剣を手にしていて、いつでも戦えるとの意志をはっきり見せています。剣を手放して戦いから離れている【ソード4】とは対極的です。
占いで最終結果に【ソード4】正位置が出た場合、「動きを止めましょう、考えることも止めましょう」と伝えます。
永坂）縦に並ぶ剣は過去の実績を表すと、常々先生はおっしゃいます。この戦士は優秀なんだ。
中川）そうね。戦うための知識も経験も豊かな戦士であることは間違いない。身体や心を休めることも必要と知っている。
永坂）ここでお尋ねしたいのは、壁に垂直に立っているワンドです。つい今しがた初めて気がついたんですけど、どう理解したら良いでしょう？
中川）あ、本当だ。ワンドが降りている。もしくは壁にはめ込んである。全然気づかなかった。初めて気がついた。問題の解決にワンドを使えという暗示なんだろうか。
永坂）「剣だけでなく、ワンド（注・知恵との意）という手もあるよ」でしょうか？逆位置になって教会の外へ飛び出して行く際、剣を持つのもワンドを持つのもどちらもOKだと。
中川）（しばし考え込んで）・・・・【ソード2】逆位置は、手にしている剣をそのまま持って立ち上がる。【ソード9】逆位置は、剣を持たずに立ち上がる。【ソード4】逆位置は、剣だけでなくワンドを掴んで出て行くのもあり。居場所は教会なのだし、宗教的な要素を考えに加えると、その理論は正しそうな気がするね。
永坂）過去において、キリスト教はかなり過激な行動もしましたが、「紛争の種は武器より知恵で解決するべき」が彼らの本意で、行動に移せなくても原則はそうですよね。その考えを表し促すのが、垂直に並ぶ剣の隣に添えてあるこのワンドなのではないか。
このワンドは、とてもさりげなく置かれています。長年先生も私も気づきませんでしたもの。窓枠の一部かな、壁の装飾かな、なんて思い込んでいましたものね。色も壁と同じだし。
仮に暗示が「剣ではなくワンドを掴め」だったら、もっと明らかに目立っているべきで、壁に紛れ込む色で描かれていないはずです。「戦わなければいけないなら認めるけど、知恵だけで頑張るのも一つの手ではないか」という解釈であってそうですか？
中川）そうだな。それが正解だな。剣を使うのはありなんだけど、使わなきゃいけないわけではない。使わなくて済むならその方が良い。
占いで最終結果が【ワンドキング】正位置で鍵が【ソード4】逆位置だったら、「ソードを使う必要は無いでしょう、代わりにワンドを使いましょう」という助言が相応しいよね。
永坂）【ワンドキング】という十分な成功が示されている状況で「ソードを使え」だったら、相撲の取組で、すでに土俵を割っている対戦相手を押し倒すような感じになりますよね。
中川）そうそう。あれはマナー違反だよね。反感を買う行為。
赤子を抱くマリア様のステンドグラスと剣の間にワンドが置かれているというのも、何かしらの意味があるのだと思う。
永坂）ここまで話が進んでひっくり返すのもナンですが、先生は垂直に並ぶ剣を過去に使用したものと定義づけていましたよね。逆位置で外へ出て行く時は、手前の横に寝ている剣を掴んで行け、と。その理論をなぞると、ワンドも過去に使用されたわけで、これからではない？
中川）う〜ん、「縦のものも横のものも、必要なら全部持って行け」と捉えていいのかもしれない。ここは解釈の修正が必要になってきた気がします。
あとは使い方を考えるということ。【ソード4】は戦場ではなく教会という設定だから、「剣の使い方は慎重に」ということなのかな。「武器は持っていても極力平和的に行動せよ」と。
永坂）本来、ソードというスートは言葉とか判断とかを意味しますから、言葉の使い方や判断はできる限り平和的に、攻撃一本槍になってはいけない、という教えですね。
中川）今日の発見は、「【ソード4】はワンドも使える」です！
並べて眺めてみてください。ソードのカードは明らかにおどろおどろしい印象か、そういったほのめかしをするものばかりなんだけど、【ソード4】は例外的に穏やかな雰囲気です。そのカードにワンドが描き込まれていたのは、極めて象徴的と言えるでしょう。
2024年6月19日 清澄白河コピスクラスにて
