コートカード:【ペイジ】【ナイト】
今回のトピックは「コートカード:【ペイジ】【ナイト】」です。
インタビュアー)今月と来月は、コートカードの解説をします。コートカードのコートは「Court」です。意味は複数ありますが、ここでは宮廷を示します。カードに登場するのはペイジ(騎士の見習・貴族の召使い)、ナイト(騎士)、クイーン(女王)、キング(王)と、宮廷に属する人々です。
今回は【ペイジ】と【ナイト】を取り上げます。前者は子どもを、後者は36才以下の男性を表します。
中川)占いにおいてコートカードは、三つの原則を守ります。
1) そのスート(注・ワンド、カップといったマーク)の特性を表す
2)習熟度・成熟度を見定める
3) 占いの中に思い当たる人物がいれば当てはめる
スートの特性:
ワンド: 気力、情熱、野心、向上心
カップ: 心の動き、感情、ロマンス、創造性
ソード: 知性、判断力
ペンタクル: 実務 経済活動 健康
インタビュアー)【ペイジ】は「子ども」を示す以外にも、「メッセージ」「出来事」という三つの解釈がある、と先生はおっしゃいます。
中川)僕は「子ども」と「メッセージ」「出来事」と三つ挙げます。
ここでの子どもは漠然と子どもと示されるだけで、性別も年齢の上限も定められていません。
【ワンドペイジ】と【ソードペイジ】が示すメッセージは、外部の環境から入ってきた刺激といったもの。
【カップペイジ】のは自分の内側から湧き起こる「アイディア」といったもの。
【ペンタクルペイジ】が持つメッセージ性は「学び」だから、書物や経験を自分の中に蓄えたもの。
出来事としては、【ワンドペイジ】は勇気付けられるもの。【カップペイジ】は感覚的感情的なもの。【ソードペイジ】は衝動的で、【ペンタクルペイジ】は教育的。
これらの動向を正位置では肯定的に、逆位置では否定的に捉えます。
インタビュアー)雲が立ち込めている分、【ソードペイジ】が担うメッセージや出来事は、正位置であってもひと波乱起きそうな気配を感じます。
中川)【ペイジ】だけでなく、ソードのコートカードに描かれている雲は、嵐の予兆と捉えます。厄介ごとに警戒せよとのサインです。
逆位置なら、厄介ごとが起こると捉える。ソードは、剣で白と黒を切り分けるというイメージですから。
インタビュアー)絵柄についてお願いします。
中川)雰囲気に差がありますね。着飾った【ワンドペイジ】の後ろにはピラミッドがあって、ミステリアスさが感じられます。
【ソードペイジ】は警戒心を抱いています。
【カップペイジ】と【ペンタクルペイジ】は無邪気な印象です。
【カップペイジ】のグレーの空は、まだ不安材料が多いことを表します。本人同様、得たアイディア(魚)も幼い状態なのです。占いで出た際は、「アイディアはまだ未熟です、育てる必要があります」と相談者に伝えます。
インタビュアー)服装にも成熟度にも幾らかの差があるのが【ペイジ】、一方【ナイト】は案外皆一律と言えそうです。
中川)そうですね。でも【ナイト】には明解に違う点があって、それはスピード感です。人物として読まない場合は、行動のスピードと捉えます。
馬の脚を見ると一目瞭然でしょう。占いでは、相談者にスピード感に注目するよう伝えます。
【ソードナイト】の背景に描かれている木を見ると、馬は逆風の中を疾走しているとわかります。若者は、逆風であっても自分の信念を貫こうと進んで行きます。
【ワンドナイト】の馬は威嚇の体勢で、ピラミッド、つまり権力に対する反発を表しています。戦いはしない、けれど屈服しない、という意思表示です。
【カップナイト】の川を渡るという行為は、自分の境界を越えて行くという意味で、馬の歩みは穏やかだけれど、若者の決意は硬い。
【ペンタクルナイト】は慎重で、正しい方向を向いていると知っていても動きません。脚を止めて将来の計画を立て、準備を整える時期なのです。
インタビュアー)さっさと行きたいのに脚を止めるのは、なかなかつらいですよね。急ぐ方がまだマシかも。
中川)もどかしい、慌ただしい、と戸惑いは生じます。でも好ましい結果に辿り着くためには、提示されたスピード感で行動しないといけない。ここが頑張りどころです。
2022年4月24日 横浜マクトゥーブにて