1. HOME
  2. インタビュー
  3. 仏教講座に通う

仏教講座に通う

Q. 今年から、仏教の講座に通っていらっしゃるそうですね?
A. 都内のあるカルチャーセンターの、「仏教の人間観」という講座に通っていて、仏教の唯識(ゆいしき)論を学んでいます。
月に2回、90分の講義です。平日の昼間だから、参加者は年配の方が多いです。生き方を探している人、心の拠り所を探している人がほとんどだと思います。皆さんすごく熱心で、一緒にいて刺激を受けます。

Q. 難しそうな内容ですが、講座には慣れましたか?
A. 月2回の講座に今年の一月に入ったから、今まで6回通いました。やっと馴染んで来たというところです。
この頃になってやっと、「どこがわからないかが少しわかるようになって来た」という感じです(苦笑)。

Q. 唯識論とは何でしょうか?
A. 「世の中すべての存在は心の表れである」という理論(注・この話を掘り下げると延々続きそうなので、残念ながらここは割愛)。

Q. 仏教に興味を持たれたいきさつをご紹介ください。
A. きっかけは高校生の時でした。三島由紀夫の「豊穣の海」全四巻を読んですっかりのめり込んで、仏教思想、特に輪廻転生、前世現世来世といったものを知りたいと思いました。それなのにずるずると時は経ち、今年になってやっと手をつけました(苦笑)。

Q. 若かりし頃のインドでの放浪時代に、それらを意識したことは? A. 無かったですね。僕が居たのはヒンズー教の地域で、転生輪廻は信じられていたけれど、仏教のそれとはちょっと概念が違いました。
インドにはヒンズー教やイスラム教の他に宗教がいくつもあるものの、仏教は無いに等しいから、仏教的な概念に触れる機会はありませんでした。

Q. なぜ今だったのでしょう?
A. 運命でしょう!お金も時間も余裕が出来て、昔から気にかけていた勉強に心が向いた時、僕が休日としている木曜日に講座があった! 去年あたりから、芝居を観に行ったり、自分の中で三島由紀夫ブーム再来という流れがありました。それは背中を押してくれたに違いないと思います。

Q. 三島由紀夫が与えたものとは?
A. 高校生の時の、あの事件(自衛隊東京市ヶ谷駐屯地での自決)が衝撃的でしたね。あれは考える機会を与えてくれました。生きることよりも、死ぬことを考えましたね。
三島は仏教的な思想を説いていませんから、彼から仏教思想を学んではいません。彼は仏教徒ではなくて、ある程度神道に傾倒していたはずではあったけれど、本人も作品も宗教色は濃くない人でした。

Q. 講座で得た知識は占いの仕事に活かされるのですか?
A. 仏教を学ぶのは個人的な興味であって、仕事に活かそうと考えてはいません。宗教と占いは切り離さなければいけない、というのが僕の信条です。

Q. 何か具体的な目標がおありでしたら、お聞かせください。
A. 講座にはずっと通い続けようと思っているけれど、出家するつもりはないし、仏教学の大家や研究者になるつもりもないです。
仏教の勉強することは、純粋に自分の知識欲を満たすこと。それだけです。目標をあげるとしたら、「核心をついた質問が出来るようになること」かな(笑)。

2017年3月29日 秋葉原マクトゥーブにて

インタビュー

インタビュー一覧