タロット【小アルカナ4】の4枚
インタビュアー)今回の取り上げるのは【小アルカナ4】です。
スートの特性
ワンド: 気力、情熱、野心、向上心
カップ: 心の動き、感情、ロマンス、創造性
ソード: 知性、判断力
ペンタクル: 実務 経済活動 健康
【小アルカナ4】のテーマは「安定」です。四枚とも概ね落ち着きが見える絵柄のカードです。
【ペンタクル4】の空が暗いのがマイナスな印象ではありますが。
中川)【小アルカナ6】から【5】へ悪い方に向かって、【4】で持ち直したというところです。「難所を越えて落ち着いた」と捉えるのが良いでしょう。
インタビュアー)最も穏やかな絵柄の【ワンド4】について語っていただきます。
気になるのは、様々なテキストに「計画の成就・達成」と書いてある点です。それだと「完成」、つまり【10】というイメージが浮かぶのですが、そうではないのですよね?
中川)【10】とは明らかに違います。結婚について占って結論に【カップ10】や【正義】が出たら、結婚届にハンコつきますと読む。
けれど【ワンド4】は結婚のメドが立ったという程度。
一山越えて安定したけれど、まだいろいろ難関なり難問なりが待っているんだな。徒歩での東海道の旅に例えると、「箱根の山は超えたけど、大井川が待っている」という感じ。この絵に描かれているのは砂漠の中のオアシス、ほっとする場です。後ろの建物は領主の館、手を振るのは村人、花は成果と捉えて良いでしょう。ただしゴールではない。
逆位置の読み方は正位置とほぼ同じです。逆だと、少し遅れが生じるという程度です。
インタビュアー)【カップ4】は雲が「こんなアイディアはいかが」と誘っているのに、男は心を閉じたままで、明らかに気乗りしていません。
中川)キリスト教絵画においては、雲から手が出ているというのは神からの啓示と捉えます。授けられているのは、人知を超えた高いレベルの提案です。
それなのに、この人物はそれを受け取れない、実行に移せない。状況は平和なんだけど、問題の解決には至らない。表面的に落ち着いているだけ。
インタビュアー)逆位置になると「思いのままに行動に移って成果をあげる」。期待大です。
中川)差し出されたカップを自分で掴んで立ち上がり進む、というイメージです。その上で物事がワンステップ上がる。うまく行きます。
インタビュアー)【ソード4】の人物は教会の中で横になっています。こちらも動かない、動けない、というところですか?
中川)祈りのポーズをしていて、静寂さが漂っていて、スピリチュアル感が強いカードです。休んでいる、考えを巡らせている、瞑想している、と読みます。
並んでいる三本の剣は、過去にあげた成果を示しています。
逆位置では、「手前に置かれている剣を掴んで戦いに出て行く、そして良い結果を得る」と捉えます。
【ワンド4】逆位置は、単に安定を受け止めるという感じですが、【カップ4】【ソード4】逆位置は、行動を起こして良い結果を生み出すという、安定から上昇へ向かいます。でも何か誰かに取り込まれるのではなく、自分で立ち上がる必要がある。
インタビュアー)剣は戦いの道具だから、【カップ4】より【ソード4】の動きの方が荒々しいと受け止めるべきですね。
中川)そうです。でも周囲を傷つけないとの配慮はあります。
【ソード5】と一緒にしたら読み間違い。
インタビュアー)【ペンタクル4】でまず目につくのは、不安を表すグレーの空です。肩に力がうんと入っているようで、本人も幸せそうに見えません。
座っている椅子は安定を表す石で出来ているのだから、もっとリラックスしていいんじゃないかと思うのですが。
中川)この人物は冠をかぶっていますね。タロットで冠をかぶっているのは、四人のキングとこの男性だけです。だからこの人は相当な財産持ちではないか、背後の街並みを全部自力で築いたのではないかとか、このカードからはいろいろな想像が出来ます。
得てしまうと失うのではないか、という不安が必ず付きまといます。持っているものが多いほど、失うものも多い。この人物は不安でしょう。必死にならざるを得ない。
正位置であれば守り切ると読みますが、逆位置になると失ってしまうことになる。財産以外に、健康や自尊心も恋愛もあてはまります。
インタビュアー)このカードには、独占とか執着という意味合いも含まれています。少々独りよがりという印象を受けてしまうのですが、どうでしょう?
中川)独占も執着も単純に悪いと捉えてはいけないでしょう。良く作用するか悪く作用するかは、占いで出たカード全部を検証して見極めます。
どちらにしても、身体全体がこわばっているのだから、かなり大変なのでしょうね。いつの世でも、安定を得るのは至難の業です。
2023年1月22日 横浜占いマクトゥーブにて