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タロット【小アルカナ5】の4枚

今回のお題は【小アルカナ5】です。

スートの特性
ワンド: 気力、情熱、野心、向上心
カップ: 心の動き、感情、ロマンス、創造性
ソード: 知性、判断力
ペンタクル: 実務 経済活動 健康

 

中川)【小アルカナ5】のテーマは「変化」です。
前回の【小アルカナ6】から雰囲気が一転しました。今回は4枚とも安定感や穏やかさはまったく無しという、吉か凶かがはっきりわかる絵柄です。

インタビュアー)いつもの順番で【ワンド5】を検証します。
戦いの場なのに空は青い。戦う姿にもいくらかの余裕が見られます。なぜでしょう?

中川)そう、戦っているのに空は平和を示す青い色。そして、みんな着ているものがカラフルで豪華。帽子もかっこいいでしょ。彼らはいいとこ坊ちゃんなのです。
戦いは本番ではなく、練習試合という捉え方でいいかな。持っているのは棒だから、相手をひどく傷つけることはない。

インタビュアー)同じ戦いでも、【ワンド7】の人物とはかなり違います。

あちらは質素な服装で、めちゃくちゃ大慌てで、超必死という印象です。

中川)【ワンド5】には切迫した感じは薄いんです。
大概の場合、ここでの戦いは葛藤と読みます。この五人はすべて自分の中にいて、自分の心の内で葛藤をしているというイメージを描いてください。

具体的に案なり策なりは持っていて、どれを選ぶかで悩んでいるのです。占いで正位置が出た時は、足を止めてじっくり考えなきゃいけません。
見切り発車はやめた方がいい。

逆位置は、「戦略が決まり、五人が協調しながら進んで行く」と捉えます。抱えている問題は、いずれ解決するでしょう。

葛藤は向上心の現れです。
向上心のない人は経験しないのだから、葛藤は大いに結構。納得できるまで葛藤することで、より良い変化が得られます。
空は青いから大丈夫。

インタビュアー)【カップ5】は、うなだれている喪服姿の男が一人。前には倒れたカップ、後ろには倒れていないカップ。テンション下げ下げで、言葉がありません。

中川)カードは喪失を示していて、明らかにがっかりな様子だけど、これをターニングポイントと肯定的にもとらえたいです。
今まで大切にしていたものから離れ、心情や行動を切り替える時期が来たのです。
切り替えることで上向くのだけれど、当人はそれに気づいていない。

インタビュアー)「倒れたカップは、結婚の約束をしたのに去って行った相手。後ろにふさわしい人物がいるのに、その相手と幸せになれるのに、まったく気づかない」という具合ですか。辛い。空は暗いし。

中川)一旦悲しみのどん底を経験しなきゃならない。だから青空ではない。

立ち直る話に移りましょう。逆位置では希望が持てます。

後ろにあったカップを抱えて、川にかかる橋を渡って城へ行く、というイメージです。【カップナイト】でも触れたように、川を渡るとは、次の新しい境地に進むと解釈します。
城は守られた場所だから、自分の信念とかが確立されると読む。

インタビュアー)誰もが嫌う【ソード5】に進みます(苦笑)。
手前の人物が相談者本人を示します。ドヤ顔です。剣は手に三本、地面に二本。相手を倒すとはいえ、五本は多過ぎでしょという感じなんですけど。

中川)ここはやるかやられるか、ゼロか百か、の本気の戦いです。
そんなことはやりたくはないけれど、人生の中で誰しも避けられない時はあります。

雲のギザギザはこれからの嵐を暗示しています。勝利は手にしたけれど恨みは残っていて、このまま穏やかに収束しないぞと告げています。

インタビュアー)【ソード5】の勝利にはずるさや強引さが伴う、と資料に書かれています。

確かに、単なる勝利なら【ソードエース】で間に合うはずですね。あからさまなドヤ顔も気になります。

中川)【ソード5】には身勝手な駆け引きが絡みます。自分さえ利益を得られれば、他者はどうでも良いという価値観。

入試で例えると、王道での勝利、つまり成績優秀で合格ならば、【ソードエース】。「親のツテを使って大学に手を回して合格通知をゲット」は【ソード5】。
勝者にはなる。だけど敵は作る。

逆位置となると、ずるい駆け引きの犠牲者になるという、惨事なり悲劇なりが待っています。
単なる失敗では終わらず、壊滅的な傷を喰らってしまいます。

インタビュアー)【ソード5】はフォローしようがないので、話題を【ペンタクル5】に移します(苦笑)。
この建物は教会ですよね。「教会だったら、この人たちを守ってあげなよ」、とぼやきたいところです。

中川)この二人は追い出されたと捉えるのは正しい気がするけれど、そう決めつけるのは単純過ぎなのかもしれません。
あの場を離れていかなきゃいけない事情があるのかも、といった複雑な見方も必要なんじゃないかな。

昔は教会とはコミュニティだったから、彼らは単に一つのコミュニティから次のへと移動中なのかもしれない。
ただ、道のりが困難を示しているのは間違いないですね。義足に雪だものね。貧困というのも明らか。

逆位置となると意味合いがひっくり返って、展開とか孤独・貧困・健康問題の解消と読みます。
安堵して良いです。最後に前向きなメッセージが登場して、こちらも安堵。

占いの結論に【ソード5】逆位置もしくは【ペンタクル5】正位置が出ると、「計画は取り下げましょう」以外の助言は見つけられません。

絵柄が絵柄だから、誰しも納得でしょう。気持ちや考え方を切り替えることで肯定的な変化が期待出来るのだから、勇気を奮ってもらいたいです。

2022年12月20日 清澄白河コピスクラスにて

 

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