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タロット小アルカナ<6>の4枚

インタビュアー)今回取り上げるのは【小アルカナ6】です。

スートの特性:
ワンド: 気力、情熱、野心、向上心
カップ: 心の動き、感情、ロマンス、創造性
ソード: 知性、判断力
ペンタクル: 実務 経済活動 健康

【小アルカナ6】は4枚とも正位置の意味合いがすべて肯定的というカードです。このように4枚とも安心というのは、小アルカナでは他にはエースだけです。

中川)「これは開けたくなかった」というカードはありませんね(笑)。ちょっと暗めの空はあっても、見るからに拒否反応といった要素は何も描かれていません。逆位置でも、そう悲観的になる必要はないです。

 

インタビュアー)テーマは「複数のもののバランス・調和」です。

中川)【小アルカナ2】もバランスを示しますが、これは二つのものの平衡感覚のバランスで、【小アルカナ6】は複数のものの調和を取るのだけど、同時に上下関係のバランスと捉えてもらいたいです。

描かれている人物たちの視線と身分の高低がそう示しています。
ワンド6の馬に乗る兵隊と歩かされている足軽。
カップ6の年齢がはっきりと違う幼児二人。幼児期だから、この二人の上下関係は変わりません。ソード6の船頭とお客も交代しない。ペンタクル6のお金を恵む・恵まれるの関係も然り。このように、上下関係が派生している上での調和が【6】の特性です。

【ワンド6】正位置は、達成及び忍耐や努力による成功を表します。ビジネスや恋愛においての成功も含めて結構です。

目を向けてほしいのは、パレードという設定です。皆が同じ方向に進んでいますね。この大将は、集団の中でリーダーシップを発揮して勝利をおさめたのです。集団の協力のおかげだから、自分一人の功績と勘違いしてはいけない。

 

インタビュアー)逆位置は失敗や負け戦とは読まず、「勝利が遅れる」「脇役にまわる」と捉えます。負け戦を示すのは【ソード3】【ソード5】です。

中川)【ワンド6】逆位置は、遅れるのも脇役にされるもの被害を被ったからではなく、何かしらの原因でそうなってしまった、といったゆるい感じに受け止めます。

 

インタビュアー)【カップ6】はほのぼのとした絵柄ですね。恋人が戻る、人間関係の調和が戻る、と言ったところ。

中川)離れていた恋人が戻るというのは無条件に嬉しいけれど、「戻る」止まりです。空が晴天ではないのは、そういうことかな。占っていて結論に【カップ6】が出ても、「恋愛の成就は約束しない」という物足りなさが残ります。未来のポジションにこれ、結論に【カップ2】【カップ10】であれば万々歳です。

 

インタビュアー)逆位置の意味合いは、「古いものから離れる」「新しいスタートを切る」。【6】の逆位置はそう悲観的にならなくて良いとのことでしたが、「離れる」もそう捉えるべきなのでしょうか?

中川)ここは一喜一憂することなく、何が離れて行くかを見据えるところです。実はがっかりな要素かもしれない。けれど離れてありがたいものなのかもしれない。

新しいスタートには面倒が伴うのかもしれませんが、前向きでいたいです。

 

インタビュアー)【ソード6】において、相談者本人はどれでしょうか?

中川)船頭です。トラブルやしがらみから離れて行き、解決策を得るというカードです。「離れるが吉」です。「逃げる」ではなく「離れる」。

剣が乱雑に立っているのは、思考や知性が整っていない、つまりまだ問題が解決していないことを表しています。トラブルから離れることで、これらの調和を目指し、問題の解決に至る。

手前の水は波立っていて、向こうは静かでしょ。事態も心境も好転して行くから、力まなくて大丈夫。

 

インタビュアー)先生は逆位置を「腹を括って行動する」とおっしゃいます。つまりこの人物は、腹を括らざるを得ないという、切羽詰まった状況に陥っているということですね?

中川)はい、切羽詰まっています(苦笑)。でも逃げない、手を抜かない。善後策を練って進んで行く。覚悟は必要だけど、悲観はしなくていい。

 

インタビュアー)【ペンタクル6】に描かれているのは、お金持ちが貧しい人たちに施しをしている姿です。

中川)身なりでわかるように、この人物は明らかに成功者です。経済活動にも人間関係も、「自分が与えることから始めて成功を収める」「見返りは後で得る」と解釈します。

逆位置の捉え方は、「尽くしても見返りが得られない」「当然の報酬が受け取れない」といったものです。

僕はこの人物が持っている天秤が気になります。天秤が描かれているのは、この【ペンタクル6】と【ペンタクル10】と大アルカナ【XI正義】の三枚だけです。

 

インタビュアー)公平さの強調でしょうか? 「人をお金で操るとか、不正もアリではなく、ルールに則った綺麗な仕事をしなさい」との声?

中川)それはあるかもしれない。【ペンタクル6】は投資も意味しますから、天秤は「『どんな方法でも儲ければいい』ではいけない」との戒めの暗示なのでしょうか。

意味合いと比べ、空がやや暗めですよね。それもあって、天秤の存在には深い理由がありそうな気がして、これからも探っていきたいと思っています。

2022年10月22日 横浜関内占いマクトゥーブにて

 

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