タロット小アルカナ<7>の4枚
インタビュアー)今回取り上げるのは【小アルカナ7】です。
スートの特性:
ワンド: 気力、情熱、野心、向上心
カップ: 心の動き、感情、ロマンス、創造性
ソード: 知性、判断力
ペンタクル: 実務 経済活動 健康
頂いた資料によると、【小アルカナ7】のテーマは「終わりと広がり」です。説明をお願いします。
中川)図形をイメージしてみてください。世の中には五角形も六角形も八角形も定着しているけれど、七角形というのはそうそう見つからない。九角形もない。
六角形と八角形の調和を乱すのが、不自然なる七角形。
インタビュアー)七角形をつくることはできるけれど、感性として不自然な形ですよね。三と五が例外なだけで、奇数になるとそうなのでしょうか。一般的に7は数としてはラッキーと認知されますが、タロットでは7は幸運を意味しません。他と同じ、普通の数です。
中川)タロットが言うところの「終わりと広がり」は、【小アルカナ8】で収めたものを【7】が壊して、新しく【6】の調和に向かって行く、という流れを示します。【7】はとんがった存在と言えばいいのかもしれません。
インタビュアー)通常タロットの教本では、小アルカナは【エース】から【10】へ進めながら解説しています。逆行するのは先生だけという感じですが、根拠は?
中川)「そう並べられているから」との理由です。新品の箱を開けると、小アルカナはキング、クイーン、ナイト、ペイジ、10,9,8・・・エースと並んでいるでしょ。僕はそれには何かしらの意味があると思っています。
ライダーウェイト版以外の事情は知りません。僕はウェイトさんとパメラさん(イラストレーター)の意図を占いのベースにしているから、小アルカナの解説は、ライダーウェイト版の並べ方をもとに進めているわけです。
じゃあ解説書はどうなんだ、といったあたりは難しく考えなくて良いんじゃないかな(笑)。一般の方々は「数字は連携している」くらいで。
インタビュアー)【ワンド7】の話に移りましょう。人物は下から攻められています。結構大変そうですが、高い場所にいるから、戦略的に優位ですよね?
中川)優位です。勝つと言い切ります。しんどいけどね。一人で6人の敵と戦っているから、必死です。かなり慌てて飛びたしたらしく、片足ずつ履いている靴が違う(笑)。
インタビュアー)逆位置だと、「守りきれない」と「戦いはない」の二つの読み方。並んだ他のカードと照らし合わせて、どちらかの読み方を選べば良い。
中川)そうですね。それから、このカードについてもう一点。下から突き上げて来ている敵は、大概の場合自分の内面であると理解してください。外敵なら【ソード5】が出るはずです。
インタビュアー)【カップ7】は、願望があれこれあって決心がつかない、優柔不断のカードと呼ばれています。
異性(頭)、内面の神秘性(ケープ)、知恵(蛇)、支配(城)、財宝、名誉(月桂冠)、領土(サラマンダー)と欲しいものは数々あって、でも雲の中に隠れていしまっていて、どれも手に入っていない。どうしよう。
中川)【カップ7】はそれほど悪いカードではありません。腹括って進めば、いずれどれかは手に入るはずです。ただ、正位置であれば、今は考えを巡らす時期でしかない。【ワンド7】と同じで、自分の内面ととことん向き合って決着させなければいけない。
逆位置では、自分の中で「これだ」という気持ちが固まって、それに向かって行動できるようになる。
なぜ人物が黒く描かれているか考えたんだけど、実は透明に描きたかったけど、そうできなくて黒にしたんじゃないかな、と僕個人は捉えています。
インタビュアー)【ソード7】の人物は泥棒です。軍隊のキャンプ地から逃げているところです。剣を素手で持っていて、危ない、危ない。
中川)不思議な絵ですよね。このカードの正位置は裏切りを意味します。自分が裏切る、もしくは誰かに裏切られる。けれど、壊滅的なダメージは起きない。空は暗くないし、剣は二本残される。
頭を飾るものは、その人の信条や思想を表すと言われています。泥棒が被っている帽子の赤は情熱。彼は信念を持っています。盗んだ先に壊滅的なダメージを与えるのが第一の目的ではなく、何か崇高な考えが隠れています。
逆位置は「裏切らない」ではなく、「認める・認められる、謝罪する・される」と読みます。でも、互いに手を結ぶ程度。「和解のふもと」「睨み合いながらの握手」とでも言おうかな。素直な和解だったら、【カップ3】でしょう。将来そうなる可能性があっても、今は中途半端な段階です。
インタビュアー)【ペンタクル7】のがっかり顔の人物は、葡萄畑の農夫です。コインのマークは葡萄の実を表します。
中川)このままでは駄目だと不満を抱いています。葡萄は出荷に値するほどの質ではないから、何かを変えなければいけない。
畑は努力の象徴です。畑に悪い兆候がないのは、彼に落ち度がない証拠です。頑張ったのに、満足の行く成果にならなかった。そういう苦い思いは、誰しも経験しますよね。
インタビュアー)正位置なら、先ほど言われたように、戦略といったものを変えれば良いのですよね。葡萄栽培に例えると、肥料を改良するとか、人員を増やすとか。その程度なのに、逆位置となると、ずっと深刻な事態まで行き着いてしまいます。
中川)金銭面では、財政破綻の危機、過剰な借金、といった非常にシビアな暗示です。
体力の低下も示します。でも健康面ではそれくらい。病気につながるのなら【ペンタクル5】、怪我や手術なら【ソード3】が出るはずです。
【7】は苦境のカードなんです。でもこれから【6】で調和を取り戻すという流れに向かうのだから、対応する策や術を探して、乗り越えてもらいたいです。
2022年9月23日 横浜関内占いマクトゥーブにて