大アルカナのカード：【XXI世界】
今回のトピックは「大アルカナのカード：【XXI世界】」です。
インタビュアー）【XXI世界】は、「タロットカードの中で最強のカード」という説がありますが、そうでしょうか？
中川）カードに強い弱いはないでしょう。見た目や名称が与える印象に強い弱いは多少ありますけれど、能力や効果においては一切ありません。
「最終のカード」であることは間違いないです。何かしらの完成形ということは強調します。
インタビュアー）意味合いを挙げます。正位置はどのサイトも先生もほとんど同じで、成就、達成、完成、完全、完璧、最高峰へ到達、幸福、喜び、ゴール、結婚などです。
ただし先生は、「責任と義務を伴う完成」という点を必ず挙げられます。これはよそでは見当たらない解釈です。
中川）この点が、【XXI世界】が持つ独自の要素でしょう。特に頑張ることなく物事が順調に進んで完成するのなら、【0愚者】【I魔術師】【VI恋人たち】【カップ10】【ペンタクル10】でも表わせます。【カップ9】もアリかも。
インタビュアー）このカードには、結婚という解釈があります。恋愛の完成形は結婚で間違いない、けれどゴールではない、と常に言われていますね。毎月きちんと生活費を入れる、家庭内の役割を果たす、相手が健康であろうと病気であろうと大切にする、といった責任や義務が伴います。
中川）そう、好きな人と一緒に暮らせて嬉しいと喜ぶだけでは成り立たなくて、責任と義務が求められます。これが【XXI世界】です。
インタビュアー）逆位置の解釈は、よそと先生とでは異なります。よそを調べると、衰退、堕落、低迷、調和の崩壊、完成には至らない、行き詰まり、といった正位置とは正反対またはそれに準ずる解釈です。
一方先生は、【XXI世界】逆位置は部分的成功、7割8割は達成と読まれます。それって未完成にしても、かなり優秀なレベルですよね。「ここまで出来ている」と誇って良さそうな印象です。
中川）僕は逆位置でもがっかりする結果ではないと捉えます。イメージは腹八分目。満足出来ると受け止めて欲しいです。
インタビュアー）とはいえ、やはり完璧（正位置）の方がありがたみを感じるのでは？
中川）占いの際、【XXI世界】がどのポジションに出たかを見極める必要があります。
心理を示すポジションに出た場合、正位置より逆位置の方が良さそうな気がします。
正位置だと、完璧を求め過ぎるのではないか気になります。自分に対してもそうですが、職場の同僚や配偶者に対して完璧を求めてしまっては、息苦しくなるだけでしょう。「100点じゃなきゃいけないという考えは控えた方が良い」と助言します。
インタビュアー）正位置は「すごろくあがり」だけど、逆位置には伸び代なり余裕や遊びなりが存在するということですね。
とあるサイトに、「【XXI世界】正位置には現状以上は望めないから、次なるステップに移行する」とあったのですが、それについてはどうお考えでしょうか？
中川）時系列として【XXI世界】を見ると、「何かを達成し切っての一区切り」と読むことが出来ます。リセットであり、スタートである。
小アルカナは10まで行くと1に戻って再スタートを切ります。【X運命の輪】は一周、つまり一つの区切りに到達すると、次へと周り続けます。【XXI世界】と【X運命の輪】と、描かれている動物は同じですよね。【XXI世界】は最終地点の到達を示しながらも、次のスタートを暗示させる。そう捉えるとわかりやすいのではないかな。
インタビュアー）中学を卒業しました、戻ることはありません、これから高校という違う新たなスタートを切ります、という具合？
中川）そうね、学校を卒業という感じは当てはまります。
中学というサイクルの後に、高校という新しいサイクルが始まる。
一生懸命な学生が中学を無事に終えられるかと占って、結論に【XXI世界】が出たら万々歳。けれど新しいサイクルはまた別の話で、高校での成功を約束していません。それはちょっと残念かも（笑）
インタビュアー）話題を絵柄に移します。
鷲→権威
雌牛→多産、豊穣
獅子→力
裸→無垢
紐→連鎖と変化
半円二つが繋がる→調和
楕円形の輪→子宮
赤い結び目→無限
中心に居るのは両性具と言われていますが、人間ですか神ですか？
中川）うーん・・・難しい。人間であり、人間を超えたものであり、性を超えた完璧な存在といったところと思っています。
手にしているのは【I魔術師】が持っているのと同じワンドで、二本持っているのは、【XXI世界】では陰と陽が統合されているから。
インタビュアー）このあたりで、話題が尽きてしまいました（苦笑）。
中川）【XXI世界】って、ものすごく単純なカードなのです。「責任と義務を果たす覚悟を抱いて動けば完成に至る」と言い切っていて、それ以外はないのですから。
2022年1月21日 秋葉原マクトゥーブにて
