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一年後に迫った東京オリンピック

Q. 来年の東京オリンピックに興味をお持ちですか?
A.いーえ、全然(笑)
「チケットが当たったら行きたいな」と思って、いろいろな人にもそう言っていましたが、後にも先にも言っていただけですね。

Q. チケットの申し込みをなさった?
A.申し込んでません。僕も女房も。だから当たらない、行かれない(爆笑)
誰かがチケットをくれたら行かれる、そしたら行く、と考えただけでした(笑)

見てみたいと思ったのは、百メートル走の決勝。
団体ものだったらバスケットボール。展開が早いってわくわくしますよね。あの攻守がぽんぽんと変わるタイミングが大好き。
バレーボールもそう。男子女子、どっちも見ていて楽しいですね。

Q. 気乗りしないのは、季節のせいでしょうか?
A.そうですね。夏の東京でやるって、間違ってます。おかしいでしょう。
4月とか11月とかだったらアリだけど、その時期だったらマラソンくらい応援に行ってもいいかなと思うかもしれないけれど、炎天下はごめんですね。

Q. やたらと税金が注ぎ込まれていますよね?
A.それに不満があることはあります。でも財政がひどく傾きはしないでしょう。
「負の遺産を残す」といった説は少し極端ではないかな。収支を考えると、図書館とか美術館とか、「もともと黒字になりはしないけれど必要」というものは必ずありますよね。
国体といったイベントやスポーツ施設もそうです。このオリンピックは、東京開催というのが納得出来ません。過去に一回東京で開催しているし、充分に発展しているわけで、他の地方都市でやればいいと思います。

今東京都が多額の税金を投入するのなら、自動車のアクセルとブレーキの踏み間違えを防ぐ装置に何らかしっかりとした補助の制度を作るとか、社会全般のためのことをして欲しいです。

Q. 地方都市での開催だったら、もう少し関心が持てた?
A.全然受け止め方が全然違ったはずです。オリンピックを開催するとは、開催する都市を盛り立てることですから。わざわざ東京である必要はないです。
もう発展しなくていいんですよ。一回オリンピックやってるし。

大阪で万博をやるっていう話だけれど、それも納得いきません。博多とか札幌とか仙台とか、そういった伸び代のある都市にやってももらえばいいのに。

Q. 前回(1964年)の東京大会は記憶はおありですよね。
A. もちろんあります。あの頃は千葉の館山に住んでいたと思います。開会式は、小学校の授業中にテレビで見ました。教室にあった白黒テレビでした。

小学生でしたから、ただ漠然と眺めていただけでした。

後になって、女子バレーボールの大松監督の根性論とか陸上の円谷幸吉選手の遺書とかを読んで、あの当時のスポーツ界は切ないなあと感じました。
あの昔の武士道っぽさというか何というか、自分で国を背負ってしまうというか、世間に国を背負わされるというか、そういう感覚はつらいね。

彼らに比べ、今のアスリート達はメンタル面が全く違って、楽しんで競技に打ち込んでいて、健全な方向に向かっていると安心します。
今の世間には「日本代表がんばれ!」という意識はあっても、「アスリート達に国を背負わせる」といった風潮は随分と薄まりましたもの。

Q. 先生が主催なさるとして、「中川昌彦的オリンピック」とはどんなものでしょう?
A. うわ、はっはっ、僕が主催するの?そうねえ・・・。10月後半に軽井沢あたりでどうかな。近頃は種目が多すぎるから、減らします。走る競技や点数を競うといった、客観性で判断される種目だけを行いましょう。

Q. もし先生がまだ若くて運動神経があって、オリンピックに出場出来るとしたら、何を選ばれますか?
A. フェンシングあたりかな。格好いいじゃん。性格的に個人競技しか無理だし。

Q. 実際に来年東京オリンピックが始まれば、TV観戦なさいますよね?
そうね、外出しても交通規制とか検問とかうるさそうだし、そもそも暑いだろうし、家でTVってことになりそうですね。

Q. このオリンピックを通し、社会がどう変わるのが望ましいと思われますか?
ボランティアがあっという間に集まりましたよね。意外に日本人には関心があるんだなというか、いつでもお祭りが好きなんだなと思いました。
ひねくれた目で眺めていた僕としては、素直に感心しました。これを機会に、「ボランティア休暇」が制度としてしっかり根付くと喜ばしいですね。

Q. 開催期間中、先生の仕事は減る・増える・変わらない?
変わらないでしょう。
僕にはリピーターのお客さんが大勢いるのだけれど、波長が合うというか、やはり僕みたいにオリンピックに熱中しそうもないタイプが多そうだから、開催中に「占ってもらいたいことがあるけれど、家でTV観戦しなきゃ」ってことにはなりそうもないです。その時期に悩みがやたらと増えるってこともまずないでしょうし(笑)。

2019年6月26日 秋葉原マクトゥーブにて

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