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パワハラスキャンダル

Q. 近年ちらほら浮上し続けていたパワーハラスメントのスキャンダルが、最近になってやたらと急増しています。

A.僕は朝起きるのが8時半くらいで、家を出るのが9時半くらいなんで、ワイドショーばっちりタイムです。
時計代わりにTVをつけていますが、いやあ、凄い、あんなに放映するほどの価値があるのかな、と呆れます。日付がかち合ったせいで、参議院選挙なんて軽く吹っ飛んだしね(笑)。

芸人も政治家もスポーツ界、体操とかボクシングとかレスリングとか、古い体質がどんどん表に出て来て、新しいものに変わりつつあるんですね。スルーされていた悪いことが陽の目を見るのは、とても良いことだと思います。

Q. 先生のもとに、パワーハラスメントの相談は多々ありますか?
A.ハラスメントを受けている人は多いですね。声をあげられない、あげても上層部が反応してくれない、という占いの依頼を受けます。
相談者の希望はいろいろで、転職だけでなく、パワハラをどうやってしのぐか、どう戦えばうまく行くか、というのも含みます。

Q. いじめは人間の本能でしょうか?
A.人間が動物の名残りという部分で、多分あるんだろうなと思います。
猿なんかが、強いやつが弱いやつの食べ物をぶんどって食べちゃうとかね。「みんな仲良く」は簡単ではないでしょう。

西洋諸国でも何処でも、強い人には逆らえないという文化はあります。力のある人、売れている人は強いから、威圧的になりやすい。トランプさんなんてそんなケがありそう(笑)。
ああいった(注・移民の議員に対する人種差別的発言)ハラスメントまがいの意識は皆根っこに本質として持っているんだろうな。排他的というか、見てくれの違いに対してまず警戒から入るとか、でもそれはしょうがない。

けれど、それを抑える度量は必要です。

Q. 日本社会において、内部告発は進むでしょうか?
A.日本人ってなあなあな社会に対して従順なんだけど、最近は内部告発者も出てきていますね。世界的にもそうだし、日本ももっとそういう方向に進んで行って欲しいと思うし、出来ると思います。
勇気を出して声をあげるのも大切ですが、企業や組織の中に内部告発者を守る体制をつくらなければいけません。それが大事。

Q. 繰り返し起こる政治家のパワハラはどうしましょう?
A. 過去の事例がいくらもあるのに、学習されていなくて、暴言や威嚇が続きますよね。日本では秘書といった補佐役のポジションが低すぎるのではないかな。秘書が居なくては困るんだから、そう認識してうまく使いこなさなきゃいけないのに、それが出来ていない。

でもパワハラを産むのは個人の人間性であって、議員という地位ではないです。

Q. 一連のスキャンダルで注目されているのは、TVがどう乗っかるかですね。
A. 今回の一連の騒動で大きく目立ったのは、自主的な忖度といったTV局の偽善的な姿勢でしょう。

大手のお笑い芸人事務所やアイドル事務所といった、「強いもの」に対し気を遣って方針を曲げたことがあったかどうか、それはTV局がジャーナリストとして今後残りたいのなら、徹底して内部調査するべきだと思います。
影響力が絶大である以上、彼らには日本を駄目にする根源になってしまう危険があるのだから。

徹底して調査して、どれだけどう忖度したか、媚を売ったか、洗い出さなければいけない。
TVは娯楽とジャーナリズムと両立の面を維持していくのなら、よその組織がどうこうと報道する前に、自分達を検証し、律しなければいけません。

Q. 最も試されているのは実はTV局ということでしょうか?
TV局にとっては、大きな危機ですよね。ここで自浄能力を発揮出来なければ、やり損なったら、ネットとか他のメディアにお客さんを取られるでしょうね。
若い世代から見れば、TVが一番、TVはなくてはならないもの、ではないんだもの。

Q. 一連のパワハラ騒動は、個人や組織の時代遅れ度をチェックするリトマス試驗紙である?
そうでしょう。
日大のアメフト部の問題もそうだったけど、古い体質は消えて行くべき時代が来たのです。確実に昭和の名残が消えつつあるんです。
スポーツ界、政界、芸能界と続いたこのパワハラは、社会が令和という新しい時代にどう馴染んで行くかという試練なのではないかな。

あのお笑い系事務所の社長の感性は「まるっきりアウト」と、誰の目にも明らかでしたね。契約書無しで仕事をさせるのも、報酬を知らせないまま仕事をさせるのも、ファミリー感覚の相手には何を言ってもいいという言い分も、常識はずれ、時代遅れ甚だしいといった感覚なのだから、続いて行ってはいけない。

報道が続いてうんざりという感じはするけれど、今のこのドタバタは、昭和の悪しき習慣を終わりにするという良い機会と期待しています。

2019年7月24日 秋葉原マクトゥーブにて

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