65才になった
Q. ずばり、65才になった実感は?
A.まずは一言「まさか」です。
まさか65才までそこそこ健康で生きて来られたとは、自分でも驚きです。女房に感謝、猫に感謝(笑)、そして神様に感謝です。
Q. 65年間の移動の歴史をご紹介ください。
A.生まれは滋賀県彦根市です。本籍もまだそこにあります。
父親の3年、4年ごとの転勤に家族もついて行ったから引越と転校の連続で、滋賀の後は鹿児島、山口、神奈川、千葉と移りました。
千葉の高校を卒業した後は、家を飛び出して国内で放浪を始めました。そして20代後半からは日本と行ったり来たりのインド放浪。お金が尽きると稼ぎに戻って来て、まとまったお金が出来るとまたインド各地をうろうろして、という生活を36まで続けました。今から考えると、10年ちょっとも良く続いたなと感心します(苦笑)。
それで36で結婚して神奈川に住んでやや落ち着いて、42の厄年で結構な大病をした後、じっくり落ち着こうと腰を据え、現在に至ります。
Q. 65才になって得るものとは?
A.介護保険証書というのが届きました。必要ないから何も読んでなくて、どう使うのか全然わかりませんけど、これからは介護保険が使えるようになるみたいです。
年金は老齢加算年金というので、これから来ますね。
バスの割引はまだです。横浜は70才になってから。
Q. 加齢に対する不満はおありですか?
A.腰を始め身体のあちこちが痛かったりはするけれど、特に歳をとることに抵抗感はありませんし、悪あがきもしません・・・・。 いや、ちょっとは考えるんだけどね(笑)。
顔に幾つかシミがあるでしょ、それとろうかな、どうやるんだろう、とネット検索しちゃったりはします(爆笑)。実際にはやらないと思うんだけど、空想しちゃったりはするって感じですね。
Q. 「体力が落ちたな」と実感する瞬間は?
A. 走る気力がなくなりましたね。乗りたい電車が発車しそうでも「次でいいや」ってすぐ諦めちゃう。昔はそれなりに走って乗ったりしたんだけど。
Q. 最近世間では「人生100年」とも言われますが、そうなると先生はあと35年残っています。
A. 35年もあるのかあ、恐ろしいなあ。どうしよう。
とは言えまだ働いているし、しばらくは働き続けられるから、とてもありがたいです。
政府は雇用の年齢を引き上げようとしているから、僕は時代の最先端を行っているんだな!占い師には定年は無い。資格免許の書き換えも無い。遅咲きだから、本当は長く頑張らないといけないのでしょう。
Q. 占い師の加齢について、どう思われますか?
A. 60代程度では、デメリットはほとんど無いでしょう。「この人は歳をとって、いろいろな経験を積んでいるんだろうな」と、お客さんは良い方に解釈してくれるケースが多いと思います。
人生の経験値って本来は占いにそう重要でないのだけど。
Q. そう重要ではない?
A. だって、実際にそうそう経験は積めないでしょう?女性であれば男性としての経験は無いのだし、その反対もそうだし、結婚も離婚も不倫も、自分で経験してなくても占うわけです。
Q. 横浜の再オープンがまだ果たされていません。
A.そうですね。月天子を閉める時に新規の場での再開を公言しておきながら、随分と時間を経たせています。
横浜のお客様が秋葉原まで来てくださるんだけど、片道一時間半くらいかかるから、申し訳ないと思っています。いずれ横浜の再開を目指したいです。
Q. 後進の指導に熱を入れるようになったのは、ご自身がこの年代に到達されたからでしょうか?
A. そうですね。上り調子で、伸びるのが自分にとって最優先の時代は、自分のことしか考えていませんでした。
後進を育てたいのは、まやかしの占い師が減って欲しいという思いが大きいですね。
お金に汚い、相談者の弱みに付け込む、といった輩は許しがたいけれど、「オマエはけしからんから占い師を辞めろ」とも言えないし、喧嘩すれば済むことでもありません。
ろくでもない奴を論破しようとか、10年前15年前はしましたけど、もう今はやりません。やはり歳のせいか(苦笑)。
僕が出来ることは、まっとうな占い師を増やすことです。まっとうな人材が増えることで、占いの世界がより良くなって行ってもらいたいですね。
2018年10月26日 秋葉原マクトゥーブにて