タロットカードの種類
Q. タロットカードの種類について教えてください。
A. 僕が使っているのはライダーウェイト版です。
タロットは他にマルセイユ版、トート版があります。
他にも種類はいくらもあるけれど、主流はこの三つです。
古くからの伝統的なタロットの流れを引いているのは、マルセイユ版です。
それから派生して、トートさんとウェイトさんというオカルティストが、確か同時期に登場して、秘密結社みたいな組織を作ったのだけれど、トートさんとウェイトさんは喧嘩別れをしてしまった(苦笑)。
それでトート派とウェイト派が別々に活動を始めて、違うカードを誕生させたと伝えられています。
Q. 使用されている比率はどのような具合でしょう?
A. ヨーロッパではマルセイユ版が多いと言われています。
アメリカとアジアはウェイト版が多い。日本でもウェイトが結構多いです。
Q. 先生ご自身はどう学ばれたのですか?
A. 僕は最初からウェイト版でした。
まずウェイト版を覚えて、それからマルセイユとトートをちらっとかじったのだけれど、それらはそれで終わりました。三つやるわけにはいかないのです。
三つともそれぞれ奥が深くて、全部極めるのは無理なのです。
意味合いも微妙に違うしね。
茶道を習っていて、表千家と裏千家の両方をマスターするって無理でしょう。
「複数の種類のタロットやります」と自己紹介に書いている占い師はたまにいるけれど、僕は違います。
個人的な見解でしかないけれど、実際難しいと思うよ。
Q. ウェイト版を選ばれた理由は?
A. 自然の流れでしたね。ある瞬間「ピンと来た」というより、ごく自然にたどり着きました。マルセイユ版の小アルカナはシンボルが描いてあるだけなので、占い師には意味がわかるけれど、依頼者には絵として通じるかというと、わかりづらいです。
ウェイト版は相談者にも結構にわかる絵がついています。ウェイト版は絵柄で理解出来るから、勉強しやすいし、説明もしやすい。
Q. 視覚は大切?
A. 絵でわかりやすいというのは、占い師としてありがたくもあるけれど、苦しいところもあると思います。
占っていて、相談者が望まない結果が出るって多々あるでしょう。それをどう受けとめやすく伝えるかというのは、大変な仕事です。
読み飛ばしてはいけない。嘘も駄目です。やってはいけないことです。
Q. 相談者がカードの意味をわかると辛いという時もありますね?
A. そうね、剣の3や剣の10といったカードが出てきて、「順調だ」とは受け取らないでしょう。
けれど、絵がどぎつい方がいいのです。相談者に「こんな具合です、腹くくってください」って言い切るきっかけになるから。
Q. 占い師と相談者を繋ぐのが絵である?
A. ウェイトさんの名前ばかり知られているけれど、ウェイト版の絵を描いたパメラさんという女性もすごいのではないかと思います。
小さいところにいろいろなシンボルを突っ込んで描いていて、他のカードにはない描き込みが多くあります。
彼女は絵師としてもオカルティストとしてもスピリチュアリストとしても、非常に優れていた。彼女以上の絵師はいないと思っています。カードを使えば使うほど、納得します。
Q. 「マルセイユ版やトート版でみてください」という相談者はいらっしゃいますか?
A. それは出会ったことはありません。
マルセイユ版でみて欲しいという人は、「マルセイユ版タロット」で検索してそっちへ行くでしょう。トート版もそういうことだと思う。
「何々版」にこだわる意義はあると思いますよ。表千家にこだわるか裏千家か、西本願寺なのか東本願寺なのか、カトリックかプロテスタントか、こだわりにはそれぞれ必ず理由があるでしょう。
優劣というより縁とか好みです。占い師にこだわるのであれば人物が優先され、使うカードの種類は二の次になる。
Q. ウェイト版以外に使用なさるカードはおありですか?
A. ゴールデンタロットというのを持っています。絵柄がぜんぜん違って、カードの縁が金色で、華やかな印象です。
ライダーウェイト系のカードですから、意味合いは変わりません。
金運を占う時にこれを使おうかとわざわざ買ったけれど、数回使っただけで「別にいいや」となってやめちゃった(笑)。今は棚に飾っているだけです。
Q. 「中川昌彦版」を造ってみたいなんて思いませんか?
ちらっとは思う(爆笑)。マジにちらっとは思う(笑)。
でもまだまだです。もっと自分を高めないと不遜だとの自覚があるからね。
それなりの知識と経験と優れた絵師がいれば造るのは可能だけれど、タロットは日常生活から離れた「高み」が必要なジャンルなのです。
自分の魂が一定レベルにまで向上しないと、「中川版」は造れないんだなあ。
2016年02月03日 秋葉原マクトゥーブにて