Q. 嘘と言えば?
A.中条きよし!って若い方はわかりませんね。
中条きよしという歌手の「うそ」という歌は、僕が二十代前半の頃に大ヒットした曲です。別に何も思い入れなんてありません。「嘘」と言われたら、その歌が自動的に頭に浮かぶだけ。

歌いませんよ。カラオケではもっと暗い歌を歌う(笑)。

Q. 嘘の回避術とは?
A.僕の信条として、嘘はつかない!とはいえ、嘘をつかざるをえない状況に追い込まれることもあるのかもしれない。
そうなったら、「喋ってまずいことは喋らない」。つまり、真実ではないことを言うのではなく、何も言わない。口をつぐむ。

放浪時代の終わりの頃だか終わった後だかに、そう決めました。それまでは嘘をつきっぱなしでした(苦笑)!

Q. 嘘から生まれた、絶体絶命といったエピソードをご紹介してください。
A. 言えない(爆笑)!う〜ん、何年経っても笑えない話はいっぱいあるけど、絶対言えない!

Q. 占い師になってからの嘘とは?
A.駆け出しの頃は初心者と言い出せなくて、ベテランのふりをしていましたね。嘘をついていたというか、事実のはぐらかしといった感じかな。
初心者だとお客さんに申し訳ないなという思い込みがあってね。

鑑定結果は正直に伝えます。これは絶対に譲れません。
好ましくないカードが出ているのに、相談者にいい顔をしようと考えるのはいけないことですから。はぐらかしといった程度でも駄目ですね。

Q. 占いのお客さんはどうでしょう?
A.嘘というより、隠しておきたい事実があったら伏せるというお客さんはいます。しばらく話をしていれば、わかりますね。

離婚を例に挙げると、「離婚後に一緒になりたい異性が存在している」といった、あまり明らかにしたくない事実があるとします。
カードはそう告げている。けれど、尋ねても「そんな異性はいない」とはぐらかされる、といったことはたまにあります。 

嘘だらけというお客さんはいませんね。
手間とお金をかけて占いにやってくるわけですから、多少のはぐらかし的な嘘はともかく、嘘を並べるお客さんに出会ったことはありません・・・・僕は。

Q. 最近は、我が国の政府も官僚組織も嘘の発覚が続きます。
A.政治家とか官僚や公益法人がつく嘘は、許し難いです。
文書を隠していたとか文章を書き換えたとか、そんな姑息な嘘は大っ嫌い。

権力者がつく嘘と一般人や弱者がつく嘘とでは、罪の重さが違います。酒場のオネエさんがつく嘘は容認かな。「ちっとも会いに来てくれなかったから、寂しかったのよ〜」とか、言われた経験はないけど!

最近財務省とかその下の官庁が(モリカケ問題で)ぐちゃぐちゃになっているけれど、つき続けるって大変でしょう。
「何千台のもトラックが走ったことにしましょう」とかって良くあんなこと言えるよね〜。業者だの日付だの、調べればすぐわかることでしょうに!

Q. 虚言癖のある人についてどうお考えですか?
A.占いではなくプライベートで、虚言癖というレベルの嘘をつく人には何人も会ったことがあります。
「平気でうそをつく人たち」という本を読んだこともあります。

嘘というものは、ひとつつくとそれに辻褄を合わせるために次の嘘をついて、それからもつき続けないといけなくなったりするものだから、そのためのエネルギーはすごいものだろうな、とある意味感心しますね。
僕だったら頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃうだろうな。そんな大変な思いをしなくてもいいのにね。虚言癖は自覚と意志があれば治せるものだけど、治すのもまた大変なんでしょう。

Q. 嘘はめんどくさい?
A. そう、それです!めんどうくさい!正直でいるのが一番楽でしょ!

2018年4月28日 秋葉原マクトゥーブにて

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