1. HOME
  2. インタビュー
  3. AI(人工知能)

AI(人工知能)

Q. 急ピッチでAIが発展して行く現代社会は、恐ろしいと感じられますか、楽しみですか?
A. 恐ろしさを感じなくもないけれど、便利になると期待しています。楽しみですね。

何事もどんどん便利になって行くでしょう。言語の翻訳なんて特にそうです。日常の買い物とか、タクシーを呼ぶとか、今の翻訳機でも十分出来るようになって、前よりずっと海外旅行がしやすくなりましたよね。

この間入院した時、CTスキャンの画像診断なんて、膨大な枚数の解析をこなした経験のあるお医者さんが見るよりも、いずれAIの方が早くなり、見落としも防げるんだろうなと想像しました。
複雑な薬の選別でも的確でしょうね。でもAIに「あなたは余命何年です」なんて言われたくないな。当たっちゃったりするから(苦笑)。

将棋の世界で、どんどん新しい定石が生まれている、というじゃないですか。AIのおかげで、何十年何百年と出てこなかった定石が発見されている。
今の将棋界は、囲碁の世界もチェスも、AIに育てられているんですよね。すごいですよね。常識で考えられなかった手を、AIは平然と打ってきますから。

Q. AIに常識的な思考が持てるか、という議論があります。
A. 常識って学んで行くものですよね。そもそも人間はそうじゃないですか。人間が学ぶ、そしてAIが学ぶ。学んで発展して行く。

Q. 擬似ペットをどう思われますか?
AIBOみたいなやつね。発売された当時は「なんだ!」って感覚を持っていたんだけど、認知症のお年寄りに寄り添わせると症状の進行が遅れるとか、笑顔が増えるとか、そういうのは良いことですよね。
ロボットとして、確実に社会の役に立っていますよね。

Q. AIは、スポーツの戦略といったものも得意らしいです。
A. アメフト、ラグビー、サッカーなんて頼るといいよね。戦略がものすごく重要だからね。

Q. 悩む時間が減るのはありがたいですけれど、物を考えなくなるのではないでしょうか?
その恐れはあって、まずいですよね。悩む時間が減った分は、別なことを考えて過ごすべきでしょう。
お医者さんが薬を探す時間が減らせるようになったら、空いた時間でスタッフや患者とコミュニケーションを増やすとか、研究に勤しむとか。アスリートなんかも同じ。

Q. 自動運転には賛成ですか?
車がないと生活が成り立たない人はいるわけです。判断力が鈍っている高齢者に運転させるよりは、自動運転の方がよほどマシかもしれませんよね。AIは逆走しないでしょう。
実際、危険の判断とか、車間距離の取り方とか、現在すでにAIに頼りつつあるじゃないですか。その流れは進んで行くのです。

Q. アレクサはお持ちですか?
A. うちにもAmazonTVが入っているから、アレクサがいます。
確かに便利だけど、使いまくると文字を読むことが減ってきて、漢字とか文章力とか衰えるでしょうね。

先日アレクサに「面白い映画を見せて」と頼んだら、「チャーリーズ・エンジェル」が出て来たわけです。で、見たら面白かった。
その後は「これはどう?」と幾つも映画を提案してくれる。そうなると、どの映画があるか、何が面白そうか、自分の頭で考えることもせず、受け身になる・・・・。昔は本屋で「ぴあ」を買って読んでどれを選ぶか考えて、って具合だったけど。

Q. 機械に指示を出すではなく、機械に振り回されてしまう?
そうですね、思考力は衰えてしまうかな。でも、さっきも言ったように、空いた時間を他の形で有効利用すればいいのだと思います。
機械に負けるという議論はあるけれど、そういう発想はやめて、AIをうまく利用することでどう自分の人生を豊かにするか、という方向性を持てば良いのではないかと。

「アレクサ、猫について教えて」と尋ねたら幾つか教えてくれたんで「アレクサ、ありがとう」と言ったら「良かった!」と返事が返ってきました。AIと人間が対立せず、一緒になったら面白い。

Q. そう遠くない将来、「AIが人間を超える」という時代が到来するようですが、AI占い師は人間占い師を超えられるでしょうか?
今の技術でも、ソフトによる占いは相当できていますよね。通常のレベル程度には追いついています。
でも占いというよりも、並べたカードの細い説明ですよね。けれど、そこからプラスアルファが足せるかどうかは、わからないところです。

Q. プラスアルファというと?
占いとは未来という未知を扱うものだから、虚でも実でもない、虚と実の間といった、「占いという次元」というのがあると僕は思うのです。人間の世界であってそうではないみたいな、スピリチュアルとも違う次元。

占い師というのは、その「ある次元」に片足突っ込んでいる職業だと思うのです。そのレベルにAIは踏み込めないのではないか、との思いは強いです。人間の占い師とAI占い師と優劣をつけるのではなくて、次元の違いなんだな。

凡庸な占い師はAIに肩を並べられてしまうのだろうけれど、ある程度の占い師は、次元の違いを見せるでしょうね。
その上で、AIをうまく活用することも出来るんじゃないかな。

今喋っていてふと思いついたのだけど、自分のAI利用法として出来たらいいなと思うのは、「顔認証」です(苦笑)。

長く占いをやっていると、三年ぶり、四年ぶり、中には五年ぶりといったお客さんがいらしたりします。とてもありがたいのだけど、すぐに思い出せない方もいらっしゃるんですね。そういうお客さんがみえた時に、AIがカメラで顔認証をして、「このお客さんは、○年前に何々の理由、例えば転職、で相談に来られた」といったデータをぱぱっと出して教えてくれたら素晴らしいなあ(爆笑)。

2019年12月25日 秋葉原マクトゥーブにて

インタビュー

インタビュー一覧